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「社長、今は、そっとしておいた方が……」
音無はそう言って、涙を溜めた目で高木を見た。
冷たい雨の降る夜だった。
所属プロデューサーの突然の死。765プロは例えようのない悲しみに包まれていた。
「プロデューサー……」
口々に漏れる嘆きの声。それらの一つ一つが、彼の存在の大きさを物語っていた。
彼に関わる者全員が見守る中、通夜は既に終了していた。だが社員は全員その場に残り未だ故人を悼んでいた。
アイドル達は普段の華やかなステージ衣装とはかけ離れた喪服に身を包み、一際深い悲しみに暮れていた。
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