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ー 判定から対峙へ ー
たしかに風貌や容姿は間違いない
だが本当に目の前の女が予想した人物なのか確かめねばならないが…
「ハズレの可能性もあるが気付かれないように接近し拘束する」か「危険を承知で確かめた上でぶつかる」か…
考えつつ分析する事にした
容姿はムダな筋肉がなく綺麗な上に何らかの鍛え方をしたボディラインだ
これほどアスリートとモデルが一緒になったスタイルは稀だ
服装の場合特にパンツや靴は動きやすさを考えての格好だ パンツの選びも映画「007」のキャラのように美を含めるためのハイヒールでなく「蹴り」のためだ
ボクシングの経験と単純なパワーなら分があるが某国の軍隊格闘技に果たして通じるか…
さて話を戻して相手の判定をするにして決定的な材料がない
目的も不明である
成田空港で拘束された時は「麻薬の取引」の可能性が指摘されたが…
せめて逃げられる前に判定はせねばならない
一応周りも観察する…味方(公安や入管)や敵(支援する工作員)の気配はない
「そのままやりすごせば何もしないだろう」これも選択肢だ
その考えの中で横に座る彼女と会話もしなければならないから作戦の遂行中に美女を口説く「007」がうらやましい
「そういえば来月転属になるよ」
彼女も突然の話に「ドコ行くの?」と聞いてきた
「某国の工作員を調べる機関だよ」彼女の頭をなでてあげながら諭す
「危険だよ?嘘でしょ?」
少し泣きそうな顔つきなってきた
「ウソだよ♪」
イタズラっぽく彼女に笑ってやる少しやりすぎたかな…
「びっくりした」と安堵を浮かべる
しかし 安堵ではいられなくなった者がこの車両に1人いる…
そうだよな?おねーさん?
元来あーだこーだと細かい事をして情報収集するのはニガテだ祖父は旧日本軍の兵士だったからその血筋か若さ故か?ストレートに勝負する事を選んだ
「この女を拘束する」そう思い顔を移す…
視線の先にはサングラス越しにこちらへの敵意を放つ女の姿があった
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