57人が本棚に入れています
本棚に追加
ー 戦闘開始 ー
こちらが顔を向けるとやや取り乱した顔つきだ
当然だろう… 公安や反乱分子に警戒していたつもりだろうがまさか日本の兵隊さん しかも「対工作員」と言えば少しは驚くはずだ
しかも彼女との会話は小声だから周囲は気にしないはずだが常に警戒をする立場にすれば小声も重要な情報であるからだ
そして動揺を誘って引っかかると人間は少ないもののクセを露呈する 訓練されても奇襲なら釣られる
そう…人間が感情や性格を持つ限り…
護衛艦勤務から転属した際 特殊な勤務に就く友人から教えてもらった貴重な戦術だ まさか使う事はないと思っていたが…他の仕草でも分かったが多くはいらない…
「恐怖心と戦う時はせめて敵を1人でも倒してから死のうと思え」祖父が与えた軍人精神は私を突き動かしていた
女は視線をそらしたが少し前と違いわずかに動く構えになった 肩にかかったバッグが物語る
女はついに本気で敵意を見せた 正確に言えばこちらの誘いに乗った形だが
自衛隊vs工作員が1両の特急で始まった
こちらも応じなければならない…他の乗客に変に思われないようゆっくり立ち上がり左手で吊革をつかむ
ただ…彼女には「座りすぎて腰が痛くなった」と言ったがさすがに変だと悟ったようだ…やはり人間は「嘘」や「クセ」などは何度も簡単にはできない
しかし彼女に万が一のため変に思われよう平静につとめ続けた…
最初のコメントを投稿しよう!