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さっきとは打って変わって、足元がしっかりした地面である事で、ジャックは周りを見渡して隠れられる場所を探し始めた。
軍から持たされた爆破筒を片手に、もう一方には自分のM1903狙撃銃をもって、元は馬小屋だったと思われる建物に立ち入ろうとしたその刹那、
大きな物音と、「うっ」といううめき声が彼の近くでした。
彼は爆破筒や狙撃銃を小屋に投げ入れると、草を掻きむしるように暴れるそれにM1911ガバメントの銃口を両手で構えて向ける。
劇鉄を起こし、安全装置をはずす。
しかし、引き金に指をかける前に、彼はそのハンドガンを左腰のホルスタに仕舞った。
「くっ…ぁあっ…!外れない!」
「ナイフを使え…。」
わさわさ蠢くパラにジャックは冷たく言い放つ。
一瞬はその動きを止めて、声の主を畏れた。
しかし、言葉が“英語”だった事で落ち着きを取り戻し、言われた通りにパラのラインをようやく切る。
荷物を置いて、立ち上がったそのアメリカ人は、体についた土を払って、ジャックに言った。
「ありがとう。助かった。」
しかしジャックはそれには反応せず、ただ右腕のワッペンを黙って指を指し、彼に見せる。
若い彼は飛び上がり、急に背を伸ばして敬礼した。
「失礼しました。
502、第2機甲師団工兵隊、
ジョン・フォード。伍長です。」
「502、82空挺、A中隊、アリス・ジャック・ポール。一等軍曹だ。」
挨拶を済ませた後、先のパラシュート降下を完遂した若い兵士は、ジャックの様に荷物を整理する間、援護を彼に任せている。
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