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一人の哀れな男がいました。
「なんか面白い事ないかなぁ」
が口癖の彼。名前を
『ポチ』
といいました。
彼は当時O阪に住んでいました。
(※プライバシー保護の為一部イニシャルでお送りしています)
彼は、貧乏でした。
『昼ご飯が水道水』
ってくらいに貧乏でした。
博打狂いで多額の借金を作った父と、金と男にだらしない母の間に生まれました。
12時間労働交代勤務。月収30万稼いでも、なぜか
『手取り一万円』
という不思議な生活を送っていました。
彼は人を疑う事を知りませんでした。
通帳やキャッシュカードは全て母に預けていたのです。
『これも貧しい家族の為や』
そう信じて疑いませんでした。
……その気持ちが裏切られているとも知らずに。
始めはそれでもよかった。
でも、少しずつそんな生活の歯車が狂いはじめる……。
彼には『忍耐力』が無かった。
働いても働いてもお金は無い。
やりたい事もできない。
……なんの為に、頑張るのか。
……自分ではなく家族の為に、一生頑張り続けるのか。
彼は仕事を辞めがちになりました。
先の見えない生活を家族の為に続け、それに疲れて仕事を辞めれば家族に
『ダメ人間』
とバカにされる。
……彼は心から人を信じる事が出来なくなりました。
次第に彼の心は腐り始めてしまいました。
そんな彼の心に、一つの想いが芽生え始めたのです……。
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