-真実-

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学校に着くともう何人かの生徒が教室に入って居た。私は2組だった。 少しすると、担任の先生らしき人が入ってきた。その後ろに副担の先生がついてきた。 ――あっ!尚倖さんだっ 尚倖さんはこちらを見ていつかと同じようにニカッと笑った。 先生の話しが終わると尚倖さんはこっちに来て言った。 『入学おめでとう。弟ね、1組だから、入学式終わったら紹介するよ。』 『はいっ、楽しみです!尚倖さっ…尚倖先生の弟さん、きっと素敵なんだろぉなぁ!』 『ははっ、大したことないよ!まぁ期待しないでて。』 『そーゆうことにしておきます!』 体育館に続く廊下を尚倖先生と歩いた。 『あ、入学式に名前呼ばれるから。弟、まことっていうんだ。 あ、俺先行くね!』 『え…、あ、はい。 じゃあまたっ』 ――まこと…? 尚倖先生の言った名前に凍りついた。ただでさえ尚倖先生は誠に似てるのに、弟が“まこと”だなんて…。 でも、ありえないよね。 誠は地元の高校だよ…きっと。 そう言い聞かせ、入学式が始まった。
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