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『それで―…?』
誠に問いかけた。
『で、ある日…あれは文化祭後かな。進路希望調査の紙の配布を先生に頼まれて、柚彌のやつ見たんだよ。T高って書いてあってちょっと内心焦ったよ。
俺、高校になればまた柚彌と一緒に笑えるんじゃないかって思ってたから。
それができないってわかって俺その日から兄貴カテキョにつけて毎日勉強しまくったんだ。
ぜんっぜん勉強できねぇから、まさか受かるとか思ってなかったけど、無事合格して。
兄貴からは柚彌とあった日の事聞かされてたから、入学式まで俺の名前言うの引っ張ってもらってた。』
すべてが信じられなかった。
誠が、私の事を思い出しててくれたことも。
すべてを知っててこうやって再会できたことも。
『これ…夢じゃないよね?』
『うん。夢なんかじゃない。
現実だよ。』
誠はそういってもう一度私を抱き締めた。
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