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「俺は奴ら二人をどうしてやろうかって、ポテトを待ってる間にずっと考えた。奴ら、また互いの体に触りあったりしやがって俺の体は段々と震えてくるんだ。あ、どうして俺の機嫌が悪かったかって、俺の昔の女が今更になって俺の前に現れやがった。貸してた金を返してくれだとよ。とにかく俺は何かを壊したくなっていたんだ」
僕は少しずつ力が戻ってきた体を起こす。なあ狐ジュースか何かないか? ねえよ全部飲んじまったもんお前自分で買いに行きなよ、いい女が転がってるかもよ。
「俺はとりあえず気持ちを落ち着かせようと思って、コーヒーを一口飲んだ。それが間違いだった。畜生! 糞まずかったんだ」
僕は冷蔵庫の扉を開け、缶ビールを手に取る。おい鼠、それ今夜の分だぞ、全部飲みやがったらぶっ殺すからな。
「それがスイッチだ。俺はそれを待ってた。鷹が上空から眼光をぎらつかせて、獲物が油断した途端に一気に急降下するような、そんな美しい鋭い始まりの合図。俺はチーズバーガーを男の顔に投げ付けてやった」
やっちまったんだ、と狐が口を挟む。でも腹は減ってなかったの? 俺だったら勿体ないから食っちゃうなあ。
音楽をかけてもいい? と僕。うさぎは手を上げ、OKだという合図を見せる。僕は山のように無造作に積みあげられたミュージックディスクを手で掻き分け、何かないかと探した。
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