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「男がひるんだ隙に俺は椅子を掴んで奴の頭をぶん殴った。奴に投げたチーズバーガーにはケチャップがたっぷり入ってたから、もうどれが血でケチャップなのか分からなくなっちまってた」
うさぎは話し続けた。僕はメタリカの音楽を流した。
うさぎは僕のチョイスに満足したらしく、さらに声を大きくして話し続けた。
俺は怯んだ奴の頭を掴んで、そのままガラス張りの壁にたたき付けてやった。奴の体はそのままガラスを突き破った。周りの奴らがうるさくて、女が悲鳴を上げた。それがうるさくてたまらなくて、俺は鼓膜が破れるかと思ったんだ。店員のほうを見てみると、裏で何かこそこそしてやがる。きっと警察に通報してやがるんだ。事の原因は奴らの出すまずいコーヒーのせいだ。そうだろう? 違うか? 俺は倒れた男を無理矢理起こして、顔に二、三発、腹に蹴りをさらに一発入れてやった。奴はそれでのびちまいやがった。だが俺は奴の間抜けにのびた面を見てるとまたむかむかしてきて、顔や腹を何回も蹴り飛ばしてやった。奴が赤黒い血を口から吐いたから、さすがにやばいと思ったんでやめた。遠くからサイレンが聞こえてきたから、そのままバイクに乗って走り出した。
「ここらへんのサツは賄賂さえ渡せばすぐに言いなりになるだろ。なんで渡さなかったんだ?」
狐が口を挟む。うさぎの話をまともに聞くのは奴だけだ。
「ついこの間、気に入らない新人のサツを可愛がってやったばかりだったんだ」
これがうさぎ、僕たちのリーダー。全くおめでたい野郎、自分の武勇伝を語る事が出来たらそれで満足だ。
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