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「こんな汚らしい街にあんな派手な車停めてっから、鼠みたいなろくでなしにやられちまうんだよ」 そう言ってへらへら笑い、何やらぶつぶつ言ってベッドに横になった。 「お前誰にも見られてないだろうな?」 羊は冷蔵庫から缶ビールを一本取り出し、一息で飲み干した。 「どうかなあ。何しろ俺、一発打った後だったからもうふらふらでさ、このまま死んでもいいやって感じで目茶苦茶な運転してたから、結構目立ってたかも」 僕は頭を掻きながら意味も無くうさぎを見る。彼は話すネタが尽きたのか、いつも彼の周りにいる三人の女達と戯れ始めた。女達は名前をそれぞれ、まき、琴美、サリィと言って、三人共美しいが下品なあばずれだった。 「ヤクやって外に出る時は気をつけろっていつも言ってるだろ。サツに目をつけられたら何も出来なくなるぜ」 羊ったらいつからそんなにチキンになっちゃったのー? と琴美が言う。 「黙ってろ、ビッチ。……鼠、この街じゃみんなぎりぎりの所でやってるんだからな」 僕は分かった、気をつけるよと言って部屋を出て行き、尿意を催したので外に立ち小便をしに出て行った。 外に出て、今夜は随分と冷え込む、と僕は思った。白い息こそ出ないものの、薄い格好じゃいられない。 温暖化の影響は厄介だ、と僕は思った。昼は馬鹿みたいに暑くて、夜も馬鹿みたいに寒くなったり、突然雪が降ったり何日も雨が降らなくなったり、気候もすっかり昔と変わってしまったらしい。この時代に生まれた僕たちには知りもしない事だが。
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