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しかし実際にペニスを出してみると、やはり馬鹿みたいに寒い夜である事に気付き、すっかり縮んだペニスを野外で放り出すなんてのはまともな人間のする行為じゃないと思った。僕は寒さを我慢し、空を眺めながら用を足している間、自分の視力がまた少し低下している事を感じた。どれだけ空を見上げても、星が見えないのだ。そしてすぐに僕は気付く。この街の空に星が夜空に浮かび上がっていた事なんて、今まで一度もなかったのだ。
「ねえ、いつまでオシッコしてるのよ?」
甘い声、甘い香り。
「きれが悪いんだよ。俺よく我慢してためてしまう癖があるんだ。そうするとこうなっちゃうんだ」
僕の立ち小便姿を眺めている美しい少女、彼女は猫という。
「あんたのそれ、すっかり小さくなっちゃって、かわいいのね」
猫はまだ十五歳で、僕よりも年下で、しかしその罪なまでの色気は何処から湧き出るものなのか、何度彼女を思い自慰行為を行ったのか、僕には分からない。
「カラスと一緒じゃないのか?」
「うん。だって……」ようやく小便を終えたばかりの僕のペニスを眺めながら、「やっぱりうさぎとは仲直りをする気はないみたい」と言った。
僕はペニスをしまい、彼女を見る。
「お前は中に入らないのか? うさぎが機嫌を損ねる前にさ、言ったほうがいいよ。カラスは病欠だってさ、言ったほうがいい」
猫はまだ十五歳で、顔もスタイルも美しく、髪や瞳も美しく、何故彼女のように一見何でも手に入らないものは無いといったような美少女が、僕たちのような連中とつるみ、ドラッグに溺れるのか、この世は分からない事だらけである。
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