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薄暗い森の中。
長く延びた線路を走る機関車一両。
終着駅に停まると少女と中年の男が立っていた。
少女『宇賀(ウガ)さん、今日は何枚ですか?』
宇賀と呼ばれた男は胸ポケットから5枚の切符を出し手渡した。
宇賀『今日は5枚です。伶奈(レイナ)様、大丈夫ですか?』
心配そうに声を掛ける宇賀に
伶奈『大丈夫です。私には黒惠(クロエ)がいますもの』
そう言い機関車をひと撫でし宇賀に微笑んだ。
伶奈『それでは行ってまいります。』
勢いよく機関車に乗り込んだ伶奈に宇賀は深々と頭を下げ見送った。
宇賀『お気をつけて』
機関車が見えなくなるまで見送った。
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