一枚目の切符

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ナンパ男『そういえばまだ名前聞いてなかったなぁ。歳いくつ?』 ??『あたしはアヤメ。17才』 あたしはそう自己紹介した。 男も自己紹介したがすぐに忘れてしまった。 だって二度と会うことはないんだもの。 ナンパ男『さっきから気になってたんだけど…何で傘持ってるの?今日晴れてるよね。日傘じゃなさそうだし……』 アヤメ『あたし雨女なの。だからいつも傘持ってるんだ』 うんざりしたようにため息をつく。 その様子をナンパ男は笑って見ていた。 ナンパ男『俺晴れ男だから俺といれば大丈夫』 アヤメ『あら、人って誰でも雨を降らせることができるのよ』 男の言葉に間髪を入れず話した。  男はびっくりしていたが“そんな事できるわけないなろう?馬鹿じゃねぇの”と言いたそうなのがわかった。 アヤメ『じゃあ見せてあげる』 あたし達は席を立ち喫茶店を出た。 アヤメ《あなたならきっと綺麗な雨を降らせてくれると思うわ》 アヤメの言葉は男には聞こえていなかった。
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