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かつて殺戮兵器として人間との戦争で投入されどんなに傷つこうが体が動く限り戦い続ける、魔王の命にだけ従う殺戮兵器ゴーレム。
それが私です。
そんな私を人としてただ必要としてくれるバカな僧侶…それが私の主です。
今日も私の主の為に朝ご飯を作る。
魚の焼けるいい匂いを嗅ぎながら味噌汁にサラダとご飯も用意する。
そしてまだ気持ち良さそうに寝ている主を起こしに行く。
いつもの子供の様な笑顔で食べる顔が見たいです…いつもの様に美味しかったですよと言う言葉が聞きたいです…
「起きて下さい…」
一生懸命作りました…きっとマスター喜びます…だから早く起きて欲しいです…
「う…おはよう…ドルチェ」
困りました…この気持ちは何というのでしょうか…?
目を擦りながらも、私の名を呼び微笑みかけてくれるあなたを見て思う。
…もっとあなたの笑顔が見たいです…
「…マスター遅いです」
気持ちとは裏腹な言葉が出る。
素直に胸の内を晒すのはまだ出来そうにないです…
…今はただ…ただあなたの側にいたいです。
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