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お品書き。
『見習いサンタのお手伝い…成功報酬三万。
玉手箱で爺のまま不老不死になった浦島と竜宮捜し…成功報酬十万。
未開惑星でへっぽこ勇者のパーティーに加わりなんとかフォローしながら魔王退治…成功報酬百万。
バレンチヌス捜索…成功報酬まんじゅう三箱
マスター(俺)の愚痴を聞く…プライスレス』
ある酒場で場違いにもジュース片手にメニューに目を通す黒髪の中肉中背の少年。その周りは厳つい男達ばかりが酒を飲みながらメニューに見入っている。
ここは色々な仕事を斡旋してくれるギルド。
「マスター?最後の愚痴って何だよ……報酬何?」
黒髪の少年がマスターと呼ばれている男に呆れ顔で声を掛ける。
「クルス、俺の愚痴三時間聞いたら分かるぜ」
スーツを着て長身のひょろっとした三十代くらいの男が少年に答えた。
「うわ…無理」
クルスと呼ばれた少年はしかめっつらで呻く。
「メニュー決まったか?」
「報酬高いしへっぽこ勇者のお守りでいいや」
「了解。グッドラック!」
クルスは用はすんだとばかりに背を向け片手を振り、酒場を後にした。
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