テーマ冬

2/2
192人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
12月25日深夜の自室のベット。ふいに目を覚ますと目の前には…赤い服!白い髪に髭!ぱんぱんに膨れた白い袋!    ああ、これがクリスマスに現れるというあれね。    サンタ模倣泥棒!助けてお母さああん!    え!?声が出ないんだけど!   「泥棒とは失礼な少女だ。サンタさん(はーと)と呼んでくれんか?ちなみに声が出ないのはサンタマジック!」    ウインクしながら説明してくれるふてぶてしい泥棒。何か指をこちらに向けて、ド●ルドマジックみたいに言ってるし。    ヤバイよヤバイよ…主に頭が。落ち着け私、相手は年寄り。防犯の為に傍に置いてある金属バットを握る。    「実は…君に…頼み事が…あっての」     ちなみに「…」の間に私の本気バットが唸っては紙一重で軽々避けられた。    「引き受けてくれるか?」    渾身の一撃を片手でガシッと楽々と掴まれる。マジ!?      「断れば将来お主がサンタのふりをして、夜こっそりと渡す子供へのプレゼントを毎年うま●棒一本にすり替える!」     子供本気泣きするよ!?    クリスマスの夜。サンタからの殺意の芽生えというプレゼントと共に、奇妙で不思議な長い一日が始まった。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!