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風が吹き荒ぶ丘の頂上、長い下り坂が続き途切れた先は崖になっている。
僕は今日鳥になる。
「無理だってーー!!」
風が吹き荒れ髪乱れ、今にもめくれそうなスカートを押さえながら少女が叫んでいる。
そんな君に僕はキスをした。
「僕を信じろ!!」
漫画で見た臭い台詞を使ってみる。
ポカンとしてる彼女を持ち上げ、自作のプロペラと羽を付けた自転車の後ろに乗せ、シートベルトをガチャリと付けサドルに跨がる。
「ギャーー!!まさか私も!?あんな崖から落ちたら死ぬぅ!!」
「生きる!!」
ニヤリと笑いもはや聞く耳持たない僕。
ペダルを力一杯踏む。後輪に連動したプロペラが回り前に進み始める。
僕達は物凄いスピードで坂道を転がり落ちるように、風の壁を突き進みそして崖を……飛んだ。
あ、鳥が隣で飛んでる……と思った瞬間下から風を感じ浮いた。
息もしずらい程の風が僕達を押し上げる。
プロペラが回る回る、僕達を乗せて自転車は大空に向かい高く高く舞い上がる。
その日僕達は鳥になった。
バキッ……
「「あ……」」
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