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私は滝野 朱璃(タキノ アカリ)。 普通の大学2年生。   今日みたいに授業が午前中で終わった日には、買物に行くの。 皆から言われちゃうんだけど、私の物欲って尋常じゃないらしいのよね。 自分では普通だと思うんだけど。     衝動買い?って言うの? なんか要らないような物ぽいぽい買っちゃうのよね。私。   そのへんがおかしいって言われているんだと思うけど、欲しいんだから仕方ないでしょ?     だから普段はバイト三昧で、貯金なんて全然無いの。 お金ってすぐに飛んでっちゃうんだ。   あ、このマグカップ可愛い。 まぁ、そう言う事だから私もう行くね。       よく喋るその女性は今し方話していた女性を尻目に、足早に会計へと去って行った。   アンケート調査員の格好をした絶世の美女。 腰まである艶やかな黒髪 陶磁器の用に透けた白い肌 二重の漆黒の瞳   行き交う男性達は彼女を見ては、絶句し熱い眼差しを送っている。  彼女は小さく溜息を付くと、人通りの少ない路地裏へと歩きだした。
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