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「ゴメンナサイ…こうするしか無い私達をどうか許して………」
女はそう言いただ涙を流す。
対する赤子は女の腕の中でキャッキャッと嬉しそうに女の顔を触る、そのまだとても小さい手で。
男とその後ろにいる数人の人影は静かに佇んでいたのみだった。
そんな静寂も束の間。
「そろそろ時間だ。」
女は黙って籠に赤子をいれる。
なお嬉しそうにしている赤子を見て、更に女は涙を流して蓋を締めた。
「この子にユグドラシルの御加護があらんことを…」
そう言い女は泣き叫ぶ赤子もろとも籠をユグドラシルの根元にある底の見えない大穴へと放した。
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