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「仕様がないんだ。この子はいてはいけない存在なんだ…」
男は自分に言い聞かせるように呟く。
「それでもッ!この子に罪はないのよ!そんなの酷過ぎます…」
男に対し女は小さな赤子を抱き、泣いて訴える。
「…私達はこの世界を守る義務があるんだ。」
「そんなことは分ってます。でも、なんとかしてこの世界で生きられないの…?」
「これでも譲歩して処刑はまぬがれたんだ。それにもう評議会で決まったことなんだ…」
「そんな…」
「…三日……三日後だ…」
男は赤子を強く抱き締め泣き崩れる女を見て、静かにその場を後にした。
「ンギャーンギャーンギャー」
(ゴメンナサイ…ゴメンナサイ…ゴメンナサイ…)
その後には赤子の叫びが木霊し女は黙って涙を流した。
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