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二人はつられて空を見たが、そこには満天の星空があるばかりで何も変わりない。
『お主らは、この星空をよく見ておくがよい。………この綺麗な星空はあちらの世界にはないものじゃからのう』
ふと老人は呟いた。
二人は彼らにとっていつもの景色である星空を見ていた。それと同時にあちらの星空はどんなものかという疑問もうまれた。
『さて、彼もやってきたようじゃな』
老人は荷台車に目をやった。二人が見ると、いつの間にか男が一人その車を牽いている。
20後半ぐらいの若い顔つきなのだが、無愛想な表情でそれが打ち消されている、すらっとした男だ。
『彼はラゾール・ロパスだ。私の助手的な存在かな。あっとそうそう、私はフェイ・ウルディバッハと呼んでおくれ』
『さて、荷物は全部荷台車に載せてしまって構わんよ。ただ自分は載らないように。流石にラゾールが嫌がるからね。ではガヴァルトス、フィロス。君たちをまだ見ぬ世界へご招待しよう』
ウルディバッハは笑いながら皆に先立って歩いた。
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