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『おまえさんたちにもできるとも。ゴルボロス大陸にはここから南に行った所にある干潟地帯を越えればいいだけの話だからね。ただし』
老人はただしを強調して言った。
『大陸についたにしても山脈を越えなければ大陸の平原にはでれないし、出たにしても君たちが今までに会ったことがない、得体の知れない者もたくさんいる。
それに、最近は大陸全体がおかしなことになっていて、私が話したような感じではなくなりつつあるのじゃ。君たちのような純粋な子供があそこにいくのはあまりオススメはできないねぇ』
老人はため息をついた。
『何か危険な事でも?』
『下手すれば命を落としかねん。そしたらわしはレメナスにひどい目にあわされるからの』
『わかった。今日はありがとうございました。また来ますから、その時はよろしく頼みます』
2人は頭を下げて帰路についた。あまり遅くまでいると父にばれてしまう。
『あの若者がとうとう興味を示したか……これも彼の血がなした宿命かのう。いやはや、血は争えぬとはよく言う事じゃったが』
老人は長いこと瞑想をしていた。静かな酒場には溜息だけがいやに大きく聴こえる。
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