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『なあ、ガヴァルトス、やっぱりお前も大陸に行ってみて、いろ~んなものをみてみたいよな?』
とフィロスは顔を輝かせて弟に聞いた。
『もちろんだよ……ただ、お母さんとお父さんが許してくれるかなぁ』
『多分許してくれないよな。あのおじさんが言うにはなかなか危険そうだし、そこらを散歩するのとはわけが違うみたいだからな』
ガヴァルトスはしばらく考えていたが
『じゃあ、こっそり抜け出しちゃおうよ。大丈夫だって、確かにお母さんとお父さんには迷惑はかかるけど、また戻ってくればいいんだって』
そう言った。
『じゃあそうしようか。準備はしっかり整えておけよ。なにせ結構難路らしいからさ』
春の風が舞う島で、2人の少年の心は、これからまだ見ぬものを見れるうれしさで、舞い上がっていた。
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