第一節 『UPHEAVAL』

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吹雪が容赦なく吹き付ける大地、そこにたたずむ1つの城……… その城の一室に男が1人立っていた。側には近侍が剣を捧げ持っている。 長く少し光る銀髪に暗赤色の目、金の重鎧をつけている。残酷な笑みを浮かべているようだが、その若い顔には悲哀と怒りが履かれていた。 『なぜ15年も探しておるのにたかだか小僧1人さえ見つけられんのだ』 その男は近侍に尋ねた。 『そ、それは大陸があまりに広く、どこに逃げたのかが解ら……』 『ならば全て武力で叩き潰せ』 男は報告する声を遮る。近待はびくっとして顔を下げた。 『エピタスを滅ぼした私たちなら簡単だろう。奴は確実に生きている。なぜなら奴の母はそいつを抱いてはいなかった。隠したか逃がしたに相違あるまい』 男は窓から近侍に目を移し 『アルファロスを潰してでも奴を見つけ、生け捕りにしろ。私の野望に奴は不可欠だからな』 そう言って高々と笑った。
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