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「絵梨ってばいきなり叫ぶんだもん! びっくりした~」
教室に戻る途中、千尋と合流した。
落ち込む私の隣で、千尋はさっきから笑いっぱなし。
「笑いすぎ……」
「だってあれ……ククッ」
睨んだって、それすら可笑しそうに爆笑する千尋を見て、数分前の自分の言動を改めて後悔した。
そしてそれは、教室に戻ってからも何ら変わらない。
去年から一緒のクラス子はともかく、今日が初対面の子にまで笑われる始末。
穴があったら入りたい。
本気でそう思った。
「良かったね~絵梨。初日からみんな仲良し」
溜め息をついていると、千尋が笑顔で話しかけてきた。
その発言に怪訝な顔でクラスを見渡してみれば――。
千尋の言う事も一理あるみたい。
私の珍騒動のおかげか、クラスの皆は早くも打ち解けているのだ。
そう考えれば少しは救われた。
「まぁいっか」
私がそう呟いたと同時に、扉が開き担任が入ってきた。
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