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すると、数人の子たちがパタパタと教室を出て行き始めた。
千尋もそれに気付いたのか、続くように立ち上がって私の手首を掴む。
「始業式始まっちゃう! 私達も早く行こ」
「え、始まる時間まであと30分もあるじゃん」
「早く行って前の方の席確保しないと、新しい先生がよく見えないでしょ」
――なるほどね。
この学校は変わっていて、式等でもクラスごとに並ぶ必要はない。ミーハーな千尋が考えそうな事だ。
「私トイレ行くから、先行ってていーよ」
まだ行かないと言った所で、千尋が素直に了承してくれる訳がない。
素直についていっても良かったのだが、今日はあまり気が乗らない。
こういう時はこう言うのが1番なのだ。
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