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山の中を馬で飛ばしてゆく。すると、一人の少年が立っていた。
道の真ん中に立っていたため、馬を止めないと人をはねてしまう。少年はどかない。吉法師も馬を止めるつもりは無い。
「どけぇい!」
吉法師は、舌打ちし、立っている少年を一喝した。少年と目が合った。馬と少年の間は1m…。もう間に合わない。
すると、少年はひらりと身をかわした。吉法師は30メートルくらい先で止まりその少年を睨み付けた。
その少年は、近づいてきた。吉法師は殴ってやろうと思い馬から飛び降りた。手には鞭を握り締めている。
その少年は、農民の息子の様だった。色が浅黒い。顔がは猿に似ていた。
「馬に轢かれたいのか?坊主、鞭で打たれたいか!」
少年はニヤニヤ笑っている。打ってみろとでも言わんばかりだ。
「この小僧!」
吉法師は鞭を少年に向けて振り下ろした。しかし、またもやひらりと体をかわし、鞭は当たらない。
吉法師は悔しくてたまらない。少年を追いかけ鞭を振り回す。しかし、当たらなかった。
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