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麗らかな日差しを浴びて目が覚めた。窓から差し込む陽光はカーテンという遮るものなくのびのびと部屋を乱反射する。
(え? カーテンが空いてる?)
なんでカーテンが空いてるのだろうか。昨日閉めた気がする、というか開けた記憶がない。年中しまった開かずの一部のはずなのに。
燦々と暑苦しく照らす太陽を憎ましく見上げて、思考を諦めた。起きよう。
起きて気付いたが、なんというか身体が痛い。腹から背中から腕から足まで。
ちくちくと痛む。筋肉痛と擦り傷が綯い交ぜになったようなよくわからなさ。
服を上げて、腹を確認する。「あ、ん?」
―――なんだこれ。
ミミズがのたうち回ったような跡のように腫れてる。それは背中にまでまわって腕に侵蝕しかけてた。
模様とも言えなくはないが、単に一本の線が行ったり来たりとぐにゃぐにゃに移動してる、がなによりも気色が悪い。
痛みは僅かだが、この腫れは気になる。
まぁ、薬ぬっときゃ治るだろ。
薬箱を取りにいき、軟膏を身体に塗りたくっておいた。
外からは見えない部分だし、まあいいさ。
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