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―――綴喜彩香(つづきあやか)ですぅと彼女は言った。 童顔な高校生。だが中身は小学生。舌足らずなしゃべり方は裏がない。それはそれで問題がある気がする。 ともかく俺はそいつに付き合うことになった。本屋で「聞いて下さぃ~」なんて大声だされてはこっちの品格が疑われる。   ―――なんでも、俺に声をかけたのは助けて欲しいからで、どうして俺だったのかは、同じ高校の制服が前を歩いていたからという単純な理由だった。 「お前よく簡単に他人に声をかけれるな」 呆れてそういうと彼女は 「変ですかぁ? 同じ学校じゃないですかぁ~」 なんていう。 学校が同じなら皆兄弟なのか。呆れる。が、悪い奴じゃなさそうだ。 「もういい。で、なんだ?」 「え?」 「だから助けて欲しいんだろ?」 それを聞くなりぱぁ~と顔が輝く。 「本当ですかぁ~!」 「俺に出来ることならな」
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