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彼女の相談と言うのは、なんというか理解に苦しむものだった。率直に言おう。お手上げだ、俺では解決出来ない。つーか理解出来ない。   とりあえず本屋を離れ、近くにあった地味なのに洒落た落ち着ける喫茶店“奈落の底”実に不可解なネーミングだが、昔からの馴染みだったりする。まぁ“マスターいつもの”が通じる程ではないし、知り合い程度。 そこの奥のテーブル席にてメニューを取りにきたマスターにコーヒーと紅茶を頼んで一言。 「―――逃げた宇宙人を掴まえ欲しいですぅ」 なんて言われた。 「……変わった名前のペットだね」 「違うますよぉ! 友達ですぅ! 地球外生命体さんですぅ!」 ―――ふむ、この店やってけるのかねぇ。ウェイトレスもいないが客もいない。平日の昼間とは言え、いつもいないのは気のせいか?  「あっ、信じてませんねぇっ!?」 「信じれるかっ!」 逃げた宇宙人って友達を宇宙人扱いかよ。 「つーか逃げたって、嫌われてたんだなオマエ」 「ゔっ。そんなはずはないもんっ」
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