発覚

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今年度初めての文芸部の活動の日がやって来た。 「オレ、国語は得意じゃないからあんまり役に立てないと思うけど、よろしくお願いします。」 幸廷は教壇に立って挨拶した。 「じゃあ、後は任せた。」 と言うと、適当に空いている後ろの席に座った。 「えーっと、今日は今年度の計画を立てようかなと思います……って、何で副部長の私が進めなきゃいけないのよ、悠。」 「ああ、オレこっちやるから~。」 悠は黒板を指した。 悠は女の子なのに一人称は『オレ』で、いわゆる『オレ少女』なのだ。 「もう。」 萌は諦めた。 「今年も去年とは大差ないけど。まず月一回『杏(あんず)』を作って、文化祭には『桃(もも)』を作って売ります。以上です。」 『杏』とは月一回発行する小冊子、『桃』とは年に一回文化祭に合わせて作る部誌の名前だ。 「他に何かあったら言ってくださーい。」 悠がおどけた調子で部員に聞いた。 「では、今年の文化祭の出し物について考えたいと思います。」 話し合いは続いた。 「幸ちゃ……じゃなかった。蓉木先生、どうですか?」
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