2755人が本棚に入れています
本棚に追加
幸廷はずっと眺めていた。
あの表情、あの声、何故だか既視感を感じる。
『幸ちゃん。』
幸廷はハッとした。
呼ばれて、この既視感の正体がやっと分かったのだ。
『そうか、似てるんだ。あの子とオレの……』
「蓉木先生、どうですか?」
萌が尋ねた。
「ん、ああ、いいんじゃないか?」
幸廷は適当に返事をしてしまった。
「えっ!?いいんですか?」
驚く萌。
「いいじゃん、いいじゃん。蓉木先生もそう言ってることだし。じゃ、けって~い♪先生、後でやっぱナシはダメですからね。あ、何なら文兄にもやらせますから。」
悠はニヤニヤしている。
「え?」
「では、文化祭は『桃』の販売と展示とコスプレと言うことで。」
「ええっ!?」
萌の一言に、当然幸廷は驚いた。
最初のコメントを投稿しよう!