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仕事が終わり、自宅へと帰った。
「お帰り。」
そう声を掛けたのは文祈だった。
「ただいま。はぁ……。」
思わず溜め息が漏れた。
「何だよ、幸廷。」
「文芸部でさ、ちょっと。」
「悠が何かしたか?文化祭のことか?」
「さすが兄、よく分かっておいでで。」
「どーせろくでもないこと言い出したに決まってる。今度は何だって?」
「こ、こ、コスプレを少々……。」
幸廷が恥ずかしそうに言った。
「は?コスプレ?らしいと言えば、らしいか。ま、コスプレするのはアイツらなんだしやらせとけばいいって、気にするな。」
「それがさー、オレもなんだよなー。」
「何ー!?あー、やられた!!お前は顧問だから強制参加で、幸ちゃんだけにやらせといてもいいの~?とかなんとか言って、オレも巻き込むつもりか。ったくアイツは。」
文祈も溜め息を吐いた。
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