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｢で、何の話だったの？さっき言いかけてたじゃない。｣
萌は話題を変えた。
｢あのね、萌ちゃん、今度の顧問の先生の話なんだけど。｣
もう一人の親友・柳若葉(やなぎ・わかば)が、悠に代わり話し始めた。
｢新しい顧問がどうかしたの？｣
｢前の林先生が数学だったでしょ？｣
｢うん。｣
｢だから今度の顧問も数学の教師だと思うのよね。｣
｢うん？｣
｢林先生は高校も大学も文芸部だったからいいけど、今度の顧問はどうだろうね。はっきり言って面倒臭いかなって。｣
若葉は一見ちっちゃくてかわいい深窓のご令嬢のように見えるが、中身は割と毒舌家だ。
｢はっきり言うね～。｣
これには萌も苦笑いだ。
友人たちとのたわいもない話が、萌には心地よかった。
まるで傷を癒すかのように。
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