『永久の憂鬱』

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窓に目を向けるとそこにはちらほらと雪が降り出していた…。 いつもと変わらない景色が少しずつ純白に染まっていく。 僕は窓際に近づくとゆっくりと鍵に手をかけ窓を開ける…。 『はぁ………。』 吐く息は白く、冷たい風が僕の体に襲いかかる様に部屋を冷やしていく。 僕の名前は一ノ瀬薫 (イチノセ カオル) 年は19歳の男の子だ。 僕は昔から体が弱く小学校低学年の時に心臓の病気を患ってしまった…。 本来なら大学生や社会人としての始まりの年だが僕はもう二年前からここ《天ノ宮病院》で入院生活を送っている。 自分でも日に日に弱く、脆くなっていく体が分かり希望や勇気といったポジティブな考えはいつしか僕の心から消えかけていた…。
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