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「誰?」
こんなときに、と彼女は、舌打ちした。
「あら…。」
ドアを開けると、その人物が立っていた。
「話がしたい。」
その人物は、言った。
「まあ、上がって…。」
そう言って、彼女は、その人物を招き入れ、お茶を出した。
「何の用?例のことなら、話すことは、何もないわ。」
彼女は、厳しい口調で言った。すると、その人物は、いきなり近くにあった灰皿で殴りかかってきた。彼女は、とっさに右手で攻撃を防いだ。激痛が走る。
その人物は、また、殴りかかってきた。彼女は、一瞬、避けようとした。だが、ある物が目に入り、ためらう。刹那。左前頭部を、激しい痛みが襲うと、そのまま、彼女は、崩れ落ちてしまった。頭からは、血が流れている。
その様子を見て、死んだと思ったのか、何かを探しはじめた。
チャンスだ、と彼女は、思った。携帯に手を伸ばすと、何かを打ちはじめた。
(よし、これで大丈夫…。‼)
その人物は、鬼の形相で、彼女の前に立っていた。
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