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「プルルル。プルルル。」
「誰やこんな時間に…。うわ、朝の4時やないか…。」
「あ、もしもし?!おれだけど」
「なんやお前か。なんの用やこんな時間に…」
「おれ、わかったんだ。だから、やり直そう!」
「なんの話や…」
「お前がなんで、もう付き合いきれんわ!って言ったかだよ!」
「は?それがどないしてん。つか、なんでお前はそんな真剣なん。」
「真剣にもなるよ!」
「あほか。どうでもいいやん、あんなただの会話終わりの文句。」
「会話終わりの文句がどうでもいいわけないじゃないか!」
「あぁもうわかったわかった、で?お前はおれの、付き合いきれんわからなにがわかったいうねん。」
「お前…」
「なんや」
「おれのことが嫌いになったから言ったんだろ?!」
「あほか!嫌いになったから言ったんとちゃうわ!」
「え、おれのこと好きなの?」
「なんでそうなるねん!嫌いやないけどそんな甘酸っぱそうな好きとはちゃうわ!」
「なんで?」
「男同士でマジで付き合うとったら気色悪いやろ!」
「それはたしかにね。」
「やろ?」
「じゃあ、おれのファッションセンスが悪いのが嫌なのか?!」
「それは昔からやろ!だいたい今日の服も、中に横縞のティーシャツ、外に縦縞の薄いワイシャツ、コートはチェックってどういうことや!」
「こういうのがオシャレなんじゃないの?トレンドなんじゃないの?」
「あほか!しかもワイシャツのボタン上までとめおって!ワイシャツが薄いぶん、中と外でチェック柄2枚きてるみたいやったわ!」
「え、変だった?」
「ものすごな!」
「なんで先に教えてくれなかったの?」
「堂々と着すぎて、言うに言われんかったわ!」
「なるほど」
「なるほどちゃうわ!お前んち鏡ないんか!」
「え、なんかいまさんざん言われたけど、付き合いきれないって言った理由は他にあるの?」
「当たり前やないか!」
「じゃあ教えてよ!」
「そんなんもわからんのかいな?!」
「わからないよ!」
「なんでや!」
「教えてよ、でないとおれ寝られない!」
「その程度の悩みで寝てたおれを起こしたんか?!」
「そうだよ!」
「ええかげんにせぇや!あんなもんただの、」
「漫才のシメのツッコミやないかばか!」
「ブツッ。ツーツーツー。」
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