シロ

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戦争、紛争がいつまでも続く時代。 そんな時代に生まれた小さな小さな物語。 僕はシロって名前のネコ。 前まで一緒にいたお爺さんが名前を付けてくれたんだ。 【お前は雪みたいに白くて綺麗だね。名前はシロなんてどうだい?】 そう言って僕を可愛がってくれたお爺さんも家もなくなった。 戦争…。 僕には分からなかった。 なんで同じ人間同士が傷付け合うのか。 そんなことを考えながら僕は焼け野原になった故郷からこの街に来た。 この街はまだ綺麗なほうで銃撃の後がちらほらと建物から分かるくらい… グゥゥ… 僕はここ2、3日まともな食べ物を食べていなかった。 お腹減ったなぁ。 しばらく歩いているとパン屋さんを見つけた。 あのお店の人僕にパンくれないかな…。 僕は少し期待しながら目の前のパン屋へと走った。 「ニャー、ニャー」 パンのとてもいい匂いがする。 僕は店員さんに気付いてもらうために鳴いた。 すると店員さんは店の奥に行ってしまった。 この間にパンとっても大丈夫かな? でもやっぱりダメだよね。 僕は店の前でしばらく考えていた。 image=217521580.jpg
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