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これからどうしようかな…
何も食べるものなんてないや…。
僕はゆっくりと道の真ん中を歩いていた。
ポツポツ。
雨が降ってきた。
ダメだ…
僕は泣きそうになったのを必死で堪えた。
「大丈夫か?」
一人の男の人の声が聞こえた。
僕が顔を上げるとそこには軍服を来た男の人が…。
右肩には大きな銃を抱えていた。
僕はお爺さんが言った一言を思い出した。
【軍人さんを見かけたらすぐに逃げるんだよ】
に、にげなきゃ…!
僕は急いで走り出した。
でもお腹がすいて思ったように足が動かない…。
ドシャァァ。
僕は足が絡まって転んでしまった。
「おい!」
男の人が追いついて僕を抱き抱えた。
「大丈夫か!?お前…こんなに痩せ細って……ほら」
そう言って男の人は僕に小さくしたクッキーをくれた。
すごく嬉しくて
僕はその男の人の腕の中で泣きながらクッキーを食べた。
僕の首輪を見て男の人が言った。
「首輪にシロって書いてるな。俺はそうだなぁー…はは、軍人さんなんてどうかな。シロ……よろしく」
そう言って男の人は僕を抱き抱えたまま歩き出した。
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