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雨
雨が降る
君を内に隠し
僕一人を避けて降り行く
過ちと罪を抱えながら
雨にすら嫌われている
君に別れを告げたとき
素顔を隠して言った言葉
“もう、疲れたんだよ”と
君を労り言ったつもり
でもこの言葉が君のこと
激しく傷つけるのに気付かない
だから雨は優しく
彼女の頬を撫でたの?
一人行く、夜道は無機質で
心は君とは触れ合わない
噛み締める唇の端に
滲む血すらもが冷たかった
“隣に居て”
“これからもずっと”
あの約束は今はどこへ?
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