1/1
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ

       雨が降る     君を内に隠し   僕一人を避けて降り行く     過ちと罪を抱えながら   雨にすら嫌われている       君に別れを告げたとき   素顔を隠して言った言葉    “もう、疲れたんだよ”と   君を労り言ったつもり     でもこの言葉が君のこと 激しく傷つけるのに気付かない      だから雨は優しく   彼女の頬を撫でたの?      一人行く、夜道は無機質で   心は君とは触れ合わない      噛み締める唇の端に  滲む血すらもが冷たかった       “隣に居て”   “これからもずっと”     あの約束は今はどこへ?
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!