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ジェズ:「あ~っと!今から少しの時間、ステージを修復するから悪いがみんな、しばらくゆっくりしててくれぃ!」
ジェズがマイク越しにそう言うと何人かの教師が出てきて魔法でステージを修復し始めた。
フッチ:「うしっ!イアンが勝ったし、ちょっと様子見てくるわ!」
フッチは席を立ち、医務室も兼ねた選手控え室を目指した。もちろんヨークは抱っこした状態で。
周りの男子から殺気を込めた視線を感じたがあえてスルーした。
フッチ:「ここかな~?」
控え室の前に着いたフッチは一応ドアをノックして中に入った。
イアン:「おっ!フッチ、ちゃんと見てたか?オレ、勝ったぜ!!」
中にいたイアンはよほどオルセインに勝ったのが嬉しかったのか、フッチを見るとケガをしているにも関わらず大きく万歳をした。
イアン:「イィヤッホオォォオァ!?腕ギャ~!!」
そのせいで激痛が走り、ベッドの上を転がり回ってベッドから落ちた。ついでに腕を下敷きにしたらしく、腕が軽く痙攣していた。
フッチ:「お前は黙って治療受けてろ!重傷だろが…」
イアン:「そ、そ~するわ…」
ヨロヨロとベッドに這い上がるイアンを見て、フッチは頭を押さえてため息をついてそう言った。
フッチ:「問題はあっちか…」
フッチの視線の先には控え室の隅で体育座りで負のオーラを全開にしたオルセインがいた。
オルセイン:「なんで…なんで…僕は貴族なのに…強いのに…なんで…」
オルセインはブツブツと小さな声で独り言を繰り返している。
フッチ:「ったく…めんどくせぇな貴族ってやつは…オイ!こっち向けてめぇ!」
フッチはオルセインに近付いてオルセインの肩を掴み、無理やり自分の方に向かせた。
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