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渦はだんだんと、足先から頭に向かって淡い光を残しながら薄くなっていく。
「リーリアが光ってる……」
ルーマとトーマは身を寄せ合い、成り行きを見守っている。
その時リーリアの体の中で、ある異変が起こっていた……。
――体が動かない……光に締め付けられてるみたい。
足先から額の中心に向かって血液が引っ張りあげられる感覚。
――意識が絞りとられてるみたい……何かが、おでこに集まってくる……あぁっ!
額の中心に集まった光は、黄金色から青へと色を変え、輝きを増していく。
その輝きは泉の光さえも霞むほど、そう、まるで青い太陽のようだった。
「まぶしいっ!」
「何なのよ~!」
――目覚めよ。
リーリアの頭の中に声が響いた瞬間、青い光は一気に空へ。
そのまま何処かへ飛んで行ってしまった。
静寂が戻り、二人が目を開けるとリーリアは倒れたままで、泉は元通り湧き続けている。
「リーリア、あんた大丈夫なの?」
「ねぇ、リーリア」
リーリアは眠さにも似た気だるさの中、ゆっくりと目を開いた。
ぼんやりした視界に泉の光が優しい。
どこかで聞いたような声が、誰かを呼んでいる……。
「リーリア! あんた死んじゃったかと思ったわよ」
「生きてるならさっさと起きなさいよ!」
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