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――あの日から半年程たっただろうか…
最近になって気付いた。
自分の中には日に日に彼に惹かれていく自分がいること…
しかし今までの様子からして彼はまだ彼女のことを忘れてはいない。
いゃ、これからも忘れないだろう。
そんな事を色々と考えてるうちに夜が明けてしまった。
そして、私の気持ちも固まった。
―翌日
「どしたの急に呼び出して?」
「その…私、あなたが好きなの。」
「え…」
「あなたが亡くなった彼女を忘れないならそれでもいい、私はそれも全部ひっくるめてあなたを愛してる。だから…私と付き合って下さい!!!」
「…俺も」
「え?」
「俺もお前のことが好きだ。」
「…じゃあ…」
「よろしくな。」
「うそ…」
「どしたの?」
私の目からは自然に涙が溢れていた。
「私…フラレると思ってたから…」
すると彼は、私の頬を伝う涙をそっと指でぬぐい、こう言った。
「大好きだよ」
その優しい笑顔にはもう寂しさの色は一切なかった。
交際を始めた私達は毎月、亡くなった彼女の月命日に二人でショートケーキを持って墓参りに行った。
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