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――二年後
私達は今、教会にいる。
鐘の音とたくさんの人々の拍手が二人の結婚を祝ってくれている。
その人だかりのなかに、私によく似た一人の女の子をみつけた。
その娘はゆっくりと私に近づき、優しい笑顔でこう言った。
「彼を幸せにしてあげて下さいね。」
そう告げると彼女はペコリとお辞儀をして、風に溶ける花びらのように消えていった。
突然の出来事に驚いた私は思わず声をあげてしまった。
「キャッ!?」
「どうかしたの?」
「ううん、なんでもない…」
あの娘はもしかしたら亡くなった彼女だったのかもしれない。
だとしたら…
式の翌日。私達は彼女の墓に向かって手を合わせていた。
そして私は、あの娘の分まで一生彼を愛し続けることを誓った。
今、ここから二人の新しい人生が始まった…
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