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クレスタは、なんでもないように、あっさりと答えた。
「死んじゃった、って…」
カルスは呆然とした。自分には想像出来ないことだが、それほどあっさりとしていられる事が信じられなかった。
「正確に言えば、殺されたんだけどね」
「殺された!?」
クレスタの顔に、先程までの笑顔は無く、仮面のような無表情で、その声は、まるで氷のように冷たく、静かだった。
「殺、されたって…一体…?」
「帝国だよ」
恐る恐る聞くカルスに、クレスタはまたあっさりと答えた。無表情の、冷たい声のままで。
「そんな!一体、どういう…」
「後はまた今度聞かせてあげるよ。早く家に入ろう」
クレスタはさらに聞こうとしたカルスを制して、顔を腕の中のカルスから背けながら家の中へと入っていった。
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