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数日前、カルスは両親と散歩に来ていた。カルスの両親はとても優しく綺麗な白銀の龍だった。
世界をカルスに見せる為、度々あちこちに出かけていたらしい。
そんな中、まだやんちゃな盛りのカルスは両親が目を離した隙に一人で両親の元を離れた所を見知らぬ男にさらわれてしまった。
そうして気が付いた時には、体を拘束され、良くない気配を感じた為に必死で逃げてきたと言うのだった。
「そんなことが……」
「うん…だからさっきは慌てちゃって…いきなり暴れてごめん…」
「そんなことがあったんだから仕方ないよ。気にしないで」
クレスタは落ち込むカルスの頭をなでて慰める。
「それじゃ、カルスのお父さんお母さんはまだ生きてるんだよね?」
クレスタは暗い空気を吹き飛ばすように明るく振舞った。
「うん、凄く心配してると思う…」
「それなら、お父さんお母さんを探しに行こう!」
クレスタは満面の笑みで宣言した。
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