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弘貴は靴を履き替え
階段を駆け上がり
廊下を走り抜け
教室に飛び込んだ先に居たのは、死にかけた顔をしている親友だった。
「どしたっ。なーんで死んでんだ」
頬をつついてみると、こちらを向いて
「だって今日テストだぞ。死にたくなるに決まってるだろ」
そうだコイツ
“菅原 和樹”(すがわら かずき)
は生粋の運動馬鹿で野球留学生。
おつむは小学生並みだったんだっけか。
それを思い出した弘貴は嫌みっぽく。
「まぁ俺はまた一位だからさ」
と一言を残し席に座ると顔を少し濡らした明弘が入ってきた。
「おぅ。
顔ごと洗ったのか」
と大きめの声で教室の入り口に居る明弘に話し掛け手招きをして呼び寄せると少し恥ずかしそうに小走りでこちらに来た。
「今日テストなんだってさ。お前知ってた?」
その言葉を聞いた明弘は呆れた様に
「それ知らないのはお前ぐらいだよ。今日から中間テスト開始だ。まっ俺は頭良いし運動も出来るし完璧だけどな」
それを聞いた弘貴も呆れた様に
「お前、勉強は中の上だろ。運動も体育3じゃねえのかよっ」
それを言われた明弘は慌てて、
「おっ俺が得意なのは格闘技なんでございますっ」
それを聞いた弘貴は呆れ果てて言葉が出なかった。
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