開始

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「セイゾンシャ、ハッケン。  殺ス」 現れた筋骨隆々の男は顔と声に覚えが有った。   俺達の担任であり理科の担当。 理科室の管理には異様に厳しい事で有名な【田丸】先生である。 しかし眼鏡に白衣、華奢な体の面影は全く無い。   「何なんだよ。あれは何なんだよっ」 和樹が叫ぶ。   弘貴は和樹に“あるモノ”を投げた 「それで首を突け。本気でだ和樹っ」   弘貴が和樹に投げたのは防犯様の自作ビニール傘。サイズは小さいがカバーを外し金属を剥き出しにし削り上げている為威力は強い。   次の瞬間田丸先生らしき人は人からモノに変わった。 それはれは砂とも錆とも違う粉状の物だった。 不思議と体液の類は見当たらなかった。   「助かった……のか」 明弘が呟いた。   「とりあえずはな。けど早く現状を把握しないと。行くぞ和樹、明弘」 と弘貴が二人話し掛けると、 「あ…………あぁ」 と和樹は何かを気にしている様だった。
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