始まりのまどろみ

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少女は息をきらしながら逃げ込んだ部屋の中で老婆に渡された錠剤を見る。 3㎝程度の白い錠剤で、それ以外は何もない。 用途は分からないが単なる風邪薬という事もないだろう。 薬物? 少女の頭に浮かび上がったのは麻薬の類いだった。 だが少女にはどうでもよかった。 この都市ではことさら禁止されている訳ではないからだ。 公共の薬物であるが集中の為、行き詰まりアイデアを得る為、用途は様々だが多くの者が使用していた。 公共の薬物でなくても暗黙了解という感じで見逃されている物もある。 実際、少女も公共の物だが使用した事があるが多少の解放感はあるものの少女が思うより気持ちの良いものではなかった。 そして少女はイマイチ使う気になれず机の引き出しにしまい込んだ。
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