偽り

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4月下旬――― 『キーンコーンカーンコーン』 (あ゙ー、やっと終わったぁ) 「ねぇ萌~。英語のノート貸してくれない? ちょっとコピー取らしてほしいんだっ。」 「あたしもー」 6時間目の授業が終わると美奈と朋子が話かけにきた。 「しょーがないなぁ~。」 仕方なく机の中から英語のノートを取り出す。 「いつも助かるよ。ごめんねー?」 「すぐに返すからね。」 「ゆっくりでいいよ~。」 こんな感じで始まる日々。 ほんとは頼られたりする事って大っ嫌い。 ノートの事だって、それぐらい『自分でとれよ!』って思う。 でもそれも仕方のないこと。 親友に頼まれては拒絶なんてできるはずがない。
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